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カルヴィル・ブラン(Calville Blanc D’hiver)

本記事は「カルヴィル・ブラン(Calville Blanc D’hiver)」という品種のりんごについてまとめています。以下目次です。

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(Claude Monet “Apples and Grapes” ART INSTITVTE CHICAGO)

カルヴィル・ブランは別名「White apple of winter(冬の白いりんご)」や「white winter Calville(白き冬のカルヴィル)」とも呼ばれています。
原産はフランスのノルマンディ、1600年代初期に種から育てた苗木が見つかりました。
ル・レクチエという人物がルイ13世のためカルヴィルを育て増やしたそうです。彼はオルレアンにある王の庭で木々の世話をしていた人物でもありました。
また、画家のモネが「林檎と葡萄」という絵画に描いたりんごはカルヴィル・ブランでした。その特徴的な下部の凹凸がよく描かれています。
『ODD APPLES』の著者William Mullanはその形について「カルヴィルを逆転させて立てると、まるでノルマンディーのモン・サン・ミシェル大修道院の高くそびえ立つ城のような外観を思わせる」とも述べています。

カルヴィル・ブランの特性

カルヴィル・ブラン③

カルヴィル・ブランは、りんごの中でも群を抜いて調理に向く品種です。というのも、長時間火を通してもしっかりと形を残すからです。カルヴィルで作ったタルトはレモンとカスタードのような風味があると言われています。
また、香り高い品種でもあります。パイナップルやレモンシフォンケーキのような強い香りがあります。熟した状態では、食感を残しつつ柔らかい果肉の中にバナナと西洋梨の微かな風味を留めています。
栄養面で見ると、オレンジ1個分よりも豊富なビタミンCを含有していることがわかっています。
他のりんごとは一線を画する特徴を持つカルヴィル・ブランですが、商品市場の需要とは相容れないようで、りんごの産地であるアメリカやヨーロッパにおいても、特定の小規模農園以外ではあまり栽培されていないようです。

結びに

いかがでしたでしょうか?
調べてみると、想像力を掻き立てられる面白いりんごだなと思いました。
機会があったら、ぜひ食べてみたいです。

撮影:仏蘭西菓子研究所オフィス・ミカ

参考文献

  • 三久保美加『TARTE TATIN タルト・タタンとりんごたち2019』(SHIMAUMA PRINT)
  • Mullan,William『ODD APPLES』(Hatje Cantz Verlag GmbH)

参考URL

Writer
髙橋厚史

青森県弘前市在住。りんご畑で働きながらライティングとリサーチの代行業を営むoffice SOBORO(オフィスソボロ)として活動中。アニメや小説が好き。猫も好き。

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