今回、「カルヴィル・ブラン」という名前のりんごで作られた「タルト・タタン」と呼ばれるお菓子を食べてみました。食べてみた感想に加えて、「カルヴィル・ブラン」の加工適性についてもお伝えします。
タルト・タタンは、フランスのタタン姉妹がアップルパイを作ろうとした際に失敗し、たまたま生まれたお菓子です。タルト・タタンに関してはこちらの記事にまとめておりますので、ご参照ください。
「カルヴィル・ブラン」とは
カルヴィル・ブランはフランス原産のりんごで、16世紀ごろから食べられている品種です。日本では明治時代に苗木が持ち込まれましたが、2022年時点では成木は青森県の弘前大学藤崎農場にのみ1本存在しています。カルヴィル・ブランに関してはこちらの記事にまとめておりますので、ご参照ください。
実食
見た目は、艶々としていてアップルパイと変わらない様子ですが、何が違うのかとドキドキしながら一口目をパクリ。
口に入れると最初に感じられたのが、酸味!これが結構酸っぱいです。その後、ほのかな甘味を感じました。酸っぱすぎることも、甘すぎることもなく、酸味と甘味のバランスがとにかく絶妙。甘いものが苦手な人でも、最後まで飽きることなくぺろっと食べられてしまうと思います。かくいう私も、フォークが止まらなく、ものの3分でお腹の中に入れてしまいました。・・・おそろしい。甘いものが好きな方なら、二つ用意すること是非是非オススメします。りんごはよく煮てあるので、全体的に柔らかく、土台にあるタルト生地がさりげないアクセントとなっていました。今回は友人と一緒に食べたのですが、友人も「ホクホクしていて、甘くて、幸せの味がする。」と言ってました。
今回のカルヴィル・ブランの加工適性の結果
今回のカルヴィル・ブランは、2020年10月から11月上旬に収穫され、2020年12月24日にタルト・タタンに加工されました。2020年12月25日に真空パック、冷凍保存されたものを2021年12月24日に試食しました。生産者は、弘前大学藤崎農場で、加工者は仏蘭西菓子研究所<オフィス・ミカ>主宰、クラフトりんごラボ代表の三久保美加氏です。
今回のカルヴィル・ブランで作ったタルト・タタンの三久保氏による詳細なレビューは以下の通りです。
・型: 直径16cm(ティファール)
・りんご:861g(正味)
・バター:50g
・グラニュー糖:70g
・焼成温度:180度
・焼成時間:155分
※前半105分(リンゴのみの焼成時間)+後半50分(生地のせ後の焼成時間)
・焼成前後の重量差:−392g
焼成中の特徴
焼成45分後:水分割合は6割
焼成60分後:果肉表面に亀裂が入り、ほぼ完全に柔らかくなったが押さえても真平らにならなかった。
焼成75分後:真平になり水分は少なかった。
「水分は6割出て、柔らかくなるのにやや時間がかかるタイプ」
・直火にかけた時間:6分
程よくこんがりきつね色にカラメリゼ。
出来上がりの特徴
・厚さ:3.5cm、果肉の隙間はごく少しだった。境目はわかる。
・切り口:水分はにじみ出ていない。やや茶色がかった黄土色。
評価・感想(by三久保美加)
ネットリしつつ、少し崩れるような食感。甘味・酸味あまり強くない。側面は酸味強め、甘さは少な目。
まとめ
今回は、フランスで生まれた「カルヴィル・ブラン」で作った「タルト・タタン」をいただきました。他にもいろんなりんごで作った「タルト・タタン」を食べた記事がありますので、是非ご覧ください。